白血病闘病記
leukemia Fight against illness
白血病闘病記 2009年 療養 1月
1月 1日 木曜日
あけましておめでとうございます。今年が私にとっても皆様にとっても良い年になりますように。
1月 9日 金曜日
特に体調変化もなく穏やかに過ごしています。脚、特に左足の筋力が極端に落ちていて床などから立ち上がる時は何かに掴まらなければならない状態ではあります。階段も下りの時は手すりに掴まって一段づつ降りないと不安があります。食事は自分で作ったりしていますがまだ完全に味覚が回復していないことをあらためて感じさせられます。時間がかかりそうです。一番最初の退院時も、退院後2~3ヶ月で回復を実感できましたので、今回はそれより時間がかかるかもしれません。今日は久々の雨模様。関東でも一部雪の便りが聞かれるそんな天気です。
1月12日 月曜日
世の中は3連休ということ。みんな正月疲れを癒しているのか静かな日々だ。朝起きると、家々の屋根が白く凍っている。病院では23度前後で寒さを感じていたが、今自分の部屋は20度前後。台所や居間は13度ぐらいしかない。しかし、人間は慣れるものである。最初のうちこそふるえていたが、今ではさほどでもなくなった。前回検診に行って、薬が1種類となったのだが、その薬が2週間分で約1万円と高いことを知った。入院中も服薬していたが、その時値段については無頓着であった。イトリゾールという真菌感染を抑える薬とのことだ。今後ずっとという訳ではないだろうがそれにしても高い薬だ。今は一日おきに夕食の支度をしている。両親にはなかなか好評である。しかし、自分自身はどこか味がおかしく感じられ複雑だ。
1月13日 火曜日
食事作りのため1時間や2時間程度立っているだけでも結構疲れる。左足は、徐々にではあるが力が入るようになってきた。ゆっくりゆっくり回復していくのだろう。朝晩の寒さが身に応える。今回の入院で「湯たんぽ」の快感に目覚めてしまった。元々冷え性で、冬場は足が冷たくてなかなか寝付けなかったのだが、「湯たんぽ」で暖めるようにしたら快適になった。退院後一番最初にしたことは湯たんぽを買いに行ったことであった。昔のブリキやプラスチック製のではなく、液体が柔らかいビニールに入った湯たんぽがなかなかいい。電子レンジで温めれば翌日まで温かさが持続する。柔らかい素材なので足への負担もない。量販店で800円ぐらいで購入できます。冷え性でお悩みの方はお試しあれ。
1月17日 土曜日
寒さが厳しくなってきました。外へ出ずに家に閉じこもっています。インターネットで自動車保険の見直しをしたりしていました。たまの買い物も人の少ない午前中に済ませるようにしています。少し足にむくみがあるぐらいで体調に変わりはありません。むくみは腎臓がまだ正常値ではないのと関係しているのかもしれません。治療をはじめてからおかしくなったので、薬の影響でしょう。長い距離(と言っても2・300メートル)や立ち続けていたりすると疲労感を感じます。
1月19日 月曜日
定期検診。普段家に閉じこもり気味なのでいい気晴らしになる。40分程のドライブ。病院に着くと、午後にもかかわらず患者が多い。小児科には補助席まで出ている。インフルエンザが本格的に流行りはじめたようだ。体重が退院時から7キロも増えている。まだ一ヶ月も経っていないのに。今は3食きっちり食べているのに運動らしい運動もしていないせいだ。足の浮腫は筋肉がついてくれば解消するとのこと。CRP値が限りなく0に近づいたら薬もやめることができるようだ。肌が乾燥するので保湿クリームを処方してもらう。加湿器の導入が必要かもしれない。検査結果は肝臓系の数値以外は問題なく、次回の予約を入れて帰路についた。
1月25日 日曜日
退院して1ヶ月が経った。早いような短いような・・・3食きちんと食べ、筋トレし、規則正しい生活。体調に変わりはなく、穏やかな日々が続いている。しかし、かつて私もそうだったように、今現在病気と闘っている人達がいることを思う。不安や苛立ちの中にいる人達のことを思う。そして一人でも多くの人に幸あれと願う
1月31日 土曜日
1月も今日で終わり。早いような遅いような・・・「時間」の感覚が一般とはズレているように思う。病院に居る時は一日が長いと感じたことはあまりなかった。規則正しい生活のうえ、けっこうやることがあるのだ。実は8ヶ月の入院自体も切実に「長い」と感じていた訳ではないほどだ。ところが退院して家に戻ると食事関係以外はほぼ自由となってしまい時間を持て余してしまう。今は6時過ぎには起きて、筋トレ、食事。何か用事や買い物があれば、人の少ない午前中に済ませ、昼食。ボーッと本やインターネット、または食事の支度しているともう夕方。病院での癖が抜けないのか、夜9時を回ると床に着いてしまう(直ぐ寝てしまう訳ではないが)。大体こんな感じの日々を送っている。筋トレは順調で、足に関してはかなり筋肉が戻ってきた感じである。移植後痩せていくなかで、自分の太ももが見た事もないほど細くなっているのに気づいた時のショックを思い出す。今では以前と比べても違和感はないし、階段の上り下りもスムーズにできるようになってきた。もう最初の発病から3年。白血病になって思う事、感じた事を何とか形にできればと考える日々である。
白血病闘病記 2009年 療養 2月
2月 3日 火曜日
昨日は定期検診。いつもの血液検査と共にレントゲン検査。結果は問題なし。飲み続けていた薬も今回から処方されなくなり、約3年振りに薬から解放された。イトリゾールという薬が終わったことで、肝臓系の数値も変化するのではないかと期待している。
2月 8日 日曜日
用事もないので家から出る事もなく過ごしています。しかし、外はインフルエンザが猛威をふるっているようで丁度いいのかもしれません。食事の支度で2時間程台所に立っていると結構疲れます。体力的にはまだまだなのかもしれませんね。
2月17日 火曜日
昨日は定期検診。特に問題なし。肝臓系の値も落ち着く方向へ下がっているようだ。γーGTPが今少しといったところだろうか。次回は肺活量の検査をするそうである。行きと帰りに大型電器量販店と本屋をブラつく。
白血病闘病記 2009年 療養 3月
3月 3日 火曜日
昨日は定期検診。今回は肺機能の検診といつもの血液検査。肺機能も年齢相応に回復しているようだ。血液的にも問題なし。γーGTPも順調に落ち着いてきているようだ。筋トレの成果目覚ましく、退院時見たこともないほど細くなってしまった太腿も、倍近く太くなってきた。今日は午後から雪の予報。本格的に降るのだろうか。
3月17日 火曜日
昨日は定期検診。いつもの血液検査。今回も問題なし。朝、スクワット50回。5キロの鉄アレイで腕の屈伸左右それぞれ20回。もう息切れすることはなくなった。ただ、足のむくみがまだ残っている。医師から「歩いて、足の血管のポンプ機能を鍛えた方がよい」とアドバイスされる。大分陽気もよくなってきたので散歩でもしてみよう。庭の梅が満開である。
3月31日 火曜日
昨日は検診。実は一昨日の夜、突然吐き気がして吐いてしまいました。同時に下痢も。夕食に刺身を食べたのがあたったのかとも思いましたが、同じものを食べた家族は何ともありません。とりあえず原因は分からないのですが、今は食欲も戻っています。血液検査の結果はCRPが少し高いぐらいでクリアできました。次回から検診が1ヶ月毎になり、一歩前進といったところでしょうか。
白血病闘病記 2009年 療養 4月
4月 7日 火曜日
散歩の途中に毎日目にしていた桜がやっと満開になりました。昨年に比べ、2週間ほど遅かったようです。季節は春。再発、入院からもうすぐ一年が経とうとしています。
4月28日 火曜日
検診が一ヶ月毎になって最初の検診です。結果は特に問題もなく無事でした。2週間程前に以前と同じように吐き気がして吐いてしまいました。そして何となく原因らしきものが分かってきました。今回と前回に共通して食べたものがあるのです。 それは蕎麦です。乾麺を茹でてつくるタイプのものです。確定はできませんが、他に共通する食べ物はなく、一番疑わしいのがこの蕎麦なのです。今回の入院以前は全然平気というか、むしろ蕎麦は食べ物のなかでも好きな部類でした。これから蕎 麦 が食べれないとすると少し寂しい気がします。移植の影響なのでしょうか・・・味覚についても普通に食べられる状態なのですが、何か微妙に味が以前と違うような気がします。言葉で説明するのが難しいのですが・・・しかし体力はほぼ病気前の状態に戻ってきました。連日の約4キロの散歩とスクワットは欠かしません。
白血病闘病記 2009年 療養 5月
5月 2日 土曜日
さわやかな天気が続いています。散歩で通る道のさつきも今が満開です。歩いていてふと思うのは、まだ走ったことがないということ。もしかしたらこの病気になってからほぼ3年の間、一度も走っていないのではないかと思うのです。そろそろ挑戦してみましょうか(笑)
5月18日 月曜日
春になり、顔の皮膚がちょうど日焼けのように剥けてしかたがない。顔の一部だったらいいのだが顔全体なので気になる。ひどくなると、人前に出るのがはばかられるほどの状態になる。病院からクリームを処方してもらっているのだが、縫って30分もすると皮膚がポロポロと落ちていく。座っている机にも皮膚が落ちて見苦しい。紫外線が原因だろうか・・・
5月25日 月曜日
定期検診。血液的には問題なし。皮膚の事を相談し、皮膚科を後日受診することになる。腕の皮膚も蕁麻疹のような症状が出始めている。
5月30日 土曜日
先日皮膚科を受診しました。原因についての言及はありませんでしたが、もらった塗り薬をつけたら次の日から皮膚の剥離はぴたりとなくなりました。自分でもこんなに効くものかとちょっと驚いています。
白血病闘病記 2009年 療養 6月
6月 6日 土曜日
二日前、ふたたび皮膚科へ。ほぼ完治したようです。劇的に効いた薬のおかげで今は快適です。前回の診察の時に頭皮も同じような状態だったのですが医師に申告するのを忘れてしまったため、今回はリキッドタイプの薬を処方してもらいました。坊主にして薬を塗るしかないと考えていたので、このリキッドタイプの薬は助かります。つけはじめて二日ですが効いているようです。とりあえず皮膚科の診察も今回で終了です。明日から一泊の予定で撮影キャンプに行く予定です。車で近場ですがのんびりとしてくるつもりです。
6月 9日 火曜日
総半島の先端にあたる野島崎、千倉へ行ってきました。幸い日曜日は天気も良く、のんびりと空や海をキャメラにおさめてきました。当初は適当な場所でキャンプするつもりだったのですが、それなりの場所は「キャンプ禁止」の看板があったので急遽キャンプ場に変更しました。みかん農家の管理人のおじさんが人なつっこく、夜十二時過ぎまでお酒をちびちびやりながら話しこみました。朝方、少し雨が降ったようですが問題なく熟睡できました。翌日は朝から曇りでしたが、海やちょっとした林道を車で走り、久々に開放感に浸ることができました。
6月17日 水曜日
久々の梅雨の晴れ間。車で5分程のところにある田んぼで空をねらってみた。残念ながら納得のいく画は撮れなかったが、さわやかな風が心地良い。急に思いついたことなので、今日はコンビニ弁当。それでも開放的な空間で食べるとこれまた美味しい。一年前は病院のベットだったことを考えれば雲泥の差である。
6月29日 月曜日
定期検診。移植からちょうど一年が経った。一年前は前処置でフラフラだったり、失神したりの状況だったことを考えれば嘘のように回復している。本来なら「生着」から一年、二年と考えた方がいいのかもしれないが。検査結果は問題なし。「そろそろ骨髄をみておきましょう」ということで、次回マルクをすることになる。約半年振りのマルクになる。
白血病闘病記 2009年 療養 7月
7月 2日 木曜日
最近、雨が降ると近くの自然公園へ出かけて撮影している。今日は、ねらいたかった土砂降りの雨が降り、何とか満足のいくカットが撮れた。一人だから大変なんですけどね(笑)
7月13日 月曜日
懲りずにまたまたキャンプに行ってきました。今度は2泊です。2日間とも風が強く、2日目にはバンガローに泊めてもらいました。南総里見八犬伝ゆかりの館山城や伏姫籠窟などを観光してきました。野島崎灯台は台風のような強風で車の窓ガラスに潮がついてしまい、すぐに視界が悪くなるほどでした。ちょっと贅沢をして刺身定食を食べたのですが、ついていた海老フライがぷりぷりで美味しかった。3日目は風も治まり、養老渓谷へ。昼に蕎麦を食べたのですが、2~3時間後に腹痛と嘔吐、下痢に見舞われました。以前、蕎麦で同じ目にあっているのですが、蕎麦アレルギーではないと思われたので食べてしまったのがよくなかったようです。蕎麦アレルギーではないと思いますが、蕎麦はどうも体質的に受け付けなくなってしまったようです。この病気以前蕎麦は好きだったのですが、今後は封印するしかなさそうです。家に帰り着くとそのまま半日眠りこけました。疲れもあったのかもしれません。今はほぼ正常になりつつあります。
7月27日 月曜日
退院後初、半年振りのマルクをしてきました。結果は数日かかるので、問題があったら連絡をもらうという手はずになっている。通常の血液検査では特に異常はないとのことだった。移植から一年。乗り切れるだろうか・・・
白血病闘病記 2009年 療養 8月
8月 5日 水曜日
先週のマルク後何の連絡もないので、どうやら骨髄的にも問題はないようである。何とか一年を乗り切ったことになる。
8月24日 月曜日
検診。血液検査も特に問題なし。ヘマトクリット(ヘモグロビン)(赤血球)値が若干低く、軽い目眩が時々あるが、ふらつくほどのものではない。前回の骨髄検査の結果は100%移植のものに置き換わっていて問題なしとのこと。
白血病闘病記 2009年 療養 9月
9月19日 土曜日
今週、4日間程撮影の仕事をした。仕事としての撮影は2007年以来なので、ほぼ2年振りである。体調的には何の不安もなく、実際以前と変わらず仕事ができたと思う。今気になるのは、肌が乾燥しやすいことぐらいだろうか。これからまた仕事が続けていければこんなに幸せなことはない。今回の仕事の中で、梅原猛さんの対談があったのだが、30年近く前に「梅原猛 著作集」を読み、何度も読み返し、思想的な影響を受けてきた著者なので、不思議な縁を感じる。
9月28日 月曜日
定期検診。血液検査問題なし。少々体重が増えてしまった。運動不足が原因か。次回から検診が2ヶ月に一回となる。少し楽になるかもしれない。
白血病闘病記 2009年 療養 11月
11月16日 月曜日
定期検診。このところ皮膚の調子が良くなくまずは皮膚科へ。顔や手足の皮膚があかぎれのような状態。GVHD(移植片対宿主病)ではないかとのこと。移植した白血球が私自身の体を「他人」とみなして攻撃する免疫反応である。慢性化する場合もあるようなので、長い付き合いになるのかもしれない。軟膏などの対処療法でしのいでいくしかなさそうだ。肝障害などの気配はいまのところないからまだいいほうかもしれない。それ以外はいたって健康である。
11月20日 金曜日
このところシナリオを書いたり、機材の改造・製作で日々を過ごしている。撮影用のミニクレーンや移動車などだ。シナリオは短編2本が脱稿していて現在は2本進行中である。母が先月骨折し現在も入院中、幸い父は比較的元気なので分担して食事やその他家事もこなしながらである。言い訳のようにように聞こえるかもしれないが、あまり焦って仕事のストレスを抱える事は避けようと思っている。この病気の原因ははっきりしないし人それぞれだと思うが私的には「ストレス」が良くないのではないかと思っている。年内は焦らず、年明けからエンジンをかけていこうと今は考えている。皮膚の方は、処方してもらった塗り薬が効いているのか楽になった。
白血病闘病記 2009年 療養 12月
12月27日 日曜日
昨日で退院から丸一年が経った。早かったような、遅かったような・・・「もう一年」だったような、「まだ一年」だったような・・・体調的には安定しているが、つい先日「そば」以外にもあたるものがあることがわかった。缶詰の赤貝。そばとまったく同じで、食べてから2~3時間後に気持ちが悪くなり全部吐いてしまう。そばもこれも免疫と関係しているだろうか。しかし、後はいたって順調で手足に若干痺れが残っているぐらいで、普段の生活に違和感はない。母は依然として入院中なので毎日の見舞いや家事、そしてたまに仕事という日常。ミニクレーンと移動車はほぼ完成した。